頂き物のターン!
ヨハンが探しているモノは、虹の根元にあるかもしれないという。
虹の根元っていったら、宝物が埋まってるって決まってる。それがヨハンの宝だったら、すごいことじゃないか!
「おお、虹だぜ!」
小降りの雨が降っていた空をレッド寮の小さな窓から見上げていたヨハンが、興奮して叫んだ。
「なんだって!? あ、ホントだ!」
ガン見していたカードカタログから目を離して同じように窓の外を見ると、雲の切れ間から差し込む陽光と、その雲から伸びたような七色の虹。
「早く行かなきゃ!」
俺が虹を見つけたのを確認して、ヨハンはさっそく靴を履いて外に飛び出していく。……本当に早い奴。
「待てよ、ヨハン!」
俺もカードカタログをベッドにおいて、ヨハンの後を追った。
「ほら、十代!」
てっきりさっさと走っていったかと思ったヨハンが、階段を降りたところで待っていた。
「あれ、もう行ったかと思ったのに」
「何言ってるんだよ。十代をおいていくわけないじゃん」
雲がだんだん晴れていくと同時に、虹もくっきりと浮かび始めている。早く行けばそれだけ、見つかる可能性は高くなるかもしれないのに。
「でもさ、早くいって早く掘ったほうがいいじゃんか」
「俺が十代と行きたいんだよ」
ほら、行くぞ!
おもむろにヨハンの右手が伸びてきて、俺の左手が掴まれる。
意外と力強い腕に引っ張られながら、俺はヨハンにならって頭上の虹を見上げた。
あの根元に、きっと俺たちが望むモノが埋まっている。
そうしたら、一番にヨハンとデュエルするんだ!
「ほら、あっちだぜ!」
「うわぁっ、早く行かないと消えちまう!!」
ばたばたと空を見上げて走りながら、なぜか離すのもどうかと思った手はつないだまま。
俺たちは虹の根元を目指すのだった。
RW-netの白葵様からいただいたチャットでの虹話イラストです。
喜びのあまりSSSつけちゃいました。
白葵様どうもありがとうございました!(080821)
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